排水管清掃とは、私たちが日常生活で毎日使用する台所や洗面、洗濯機、お風呂の排水管の清掃のことで、高圧洗浄(高い圧力で水を排水管に流しこみ、内部のゴミや堆積物を洗浄することが普通行われます。
排水管の清掃について法的な義務付けはありませんが、建築基準法や建築物環境衛生管理基準に、衛生上必要な措置を行うことが定められているため、マンションの維持管理には定期的な排水管清掃の実施が推奨されています。そこで、
サザンヒル八事組合では、原則年1回雑排水管洗浄をおこなっています。その費用は管理費に含まれています。
マンションの排水管は、雑排水管(台所、洗面、洗濯機、お風呂)、汚水管(トイレ)、雨水管(屋上やバルコニーからの雨水)の3つに分かれており、マンションで定期的に行われる排水管清掃では、主に雑排水管の清掃が行われます。
毎日出る料理時の油や食べ物のゴミ、髪の毛や糸クズ、洗剤などは排水管に蓄積しやすく、放っておくと悪臭や詰まりの原因になるため、定期的な清掃を必要とします。
マンションの排水管は、各住戸(専有部分)からの排水が、共用部の排水管に流れていくという仕組みです。そのため、各住戸の排水管のゴミや汚れの蓄積が、共用部排水管のトラブルの原因になります。したがって、専有部の排水管も含めて定期的に清掃を行う必要があります。
また、雑排水の汚れは詰まりや悪臭だけでなく、放っておくと配管自体の劣化にもつながります。長く建物を維持していくためにも、定期的な排水管清掃は必要不可欠なのです。
排水管清掃は、主に共用部を縦に走る排水管、各住戸のお風呂、洗面、洗濯機、台所からの排水管が対象となります。下階の住戸から上階へ順に行っていき、各住戸ではそれぞれの設備の排水管より高圧洗浄ノズルを挿入し、排水管を洗浄していきます。
作業自体は10分程度で終わるものですが、必ず立ち合いのもと作業が行われることになります。
下階から上階に行う理由は、次のとおりです。
共用の大きな排水管の途中につまりがある場合、上階から高圧で大量の水を流すと、詰まりのある部分から下の部屋等で逆流や漏水が発生します。下の階から順番に清掃を行うことで、このリスクを最低限に押さえることができるのです。
排水管清掃は洗面、お風呂、台所、洗濯機の排水管が対象になるため、作業を行う排水溝の周辺には物を置かないようにしておきましょう。また、玄関から洗浄用のホースを室内に入れるため、玄関周りや廊下に設置してあるものも片付けておいてください。
それぞれの排水溝についても、髪の毛や生ごみ、石鹸汚れなどもできるだけ綺麗にしておきましょう。作業の手間を極力減らすため、そして作業員の方に気持ちよく清掃してもらうためにも、マナーとして簡単にでも実施しておくことをおすすめします。
何よりも排水管清掃は立ち合いが必要になるため、実施日は絶対に予定を空けておきましょう。
マンションの場合、たくさんの住戸の排水管清掃が一気に行われます。そのため、当日立ち合いができないということになると、全体スケジュールに影響が出たり、業者の再手配が必要になることもあります。各住戸の排水管の状況が全住戸に影響を及ぼすこともあり、必ず定期的な清掃を行う必要があります。実施当日は予定を空けて立ち会うようにしましょう。
そして、洗濯機の排水管清掃は特に注意しましょう。
洗濯機と洗濯パンの間に隙間が空いていないとホースが通せず、排水管清掃を行うことができません。ドラム式のように重量のある洗濯機の場合は簡単に動かすことができません。洗濯機の排水管だけなら清掃しなくてもいいか、と思われるかもしれませんが、放っておくと洗剤や衣類の糸クズなどによる詰まり、水漏れや悪臭にもつながります。
排水管清掃のためだけでなく、日常的な掃除を行うためにも、洗濯機の下をかさ上げする台を設置するなどの対策が推奨されます。
排水管の詰まりや悪臭といった不具合を防ぐためには、日頃の使用方法も気をつけることが大切です。
台所では、油汚れや生ごみは排水管の詰まりの原因になります。油そのものを流さないことはもちろん、調理したフライパンやお皿を洗う際も油汚れが酷い場合は一度ふき取ってから洗う。小さな生ごみも流れていかないように排水皿にネットをつけるなどして気をつけましょう。
お風呂や洗面の場合、最も気をつけたいのが髪の毛です。石鹸等が髪の毛と絡み、蓄積して排水管の詰まりの原因となることもあります。使用後は必ず目皿の髪の毛をとり、排水トラップを清掃するようにしましょう。排水溝にヘアキャッチャー等を設置するのもおすすめです。
もし、住戸内の排水管に詰まりがあり、ご自身で清掃をしても改善しない場合は、管理人・管理会社に相談されることを推奨します。